実家の親が水道業者にぼったくられた!! その②

【人の話はサビだけ聞け!】

 

前回はぼったくり事件が孕む問題を三つに分けたうちの一つ目である業者の問題を掘り下げたが、今回はぼったくられた俺の親の問題を考えてみる。

これは親の個人的な資質が問題だと言いたいのではない。

騙される人間には共通する問題があるのだ。

当然ぼったくるやつが一番悪いのは間違いないのだがそんなこと言ってもぼったくろうとするやつは絶えないしぼったくられた後に泣き言を言っても金はほぼ返ってくることはないのだから、やはり自分の甘さを認識して今後の自衛のために対策を立てなければならない。

 

まずね、騙される人の特徴は「真面目な人」ってこと。

日本でオレオレ詐欺が流行って絶えないのは日本人に真面目な人が多いからなんだろうなと思う。

でも真面目って悪いことじゃないよね。世の中で成功してる人って自分の気持ちや信念に正直で真面目に向き合ってる人だから、ここでいう騙される人の真面目さとは性質が違う。

性質というか真面目さを発揮する方向が違う。

騙される人は誰に対しても真面目なんだ。

自分に関わってくる他人は基本的に善い人だと思っている。

ニュースで流れてくるような邪悪な人間はニュースの向こう側にしかいなくてまさか自分の身近にはいないだろう、もしくはそんなにいないだろうと思い込んでいる。

これは想像力の問題だし想像力を養うのは経験しかない。

なんぼ人の話を聞こうとたくさん本を読もうと、頭で解っていることと実際にその場で心を強く保てるかは場数を踏んだ数によるところが大きい。

 

野球が上手くなる本をいくら読んでも野球は上手くならない。

一人でバットを振ってボールを投げて、次は誰か相手と組んでやってみて、次は試合という実際の流れと緊張の中でどれだけ動けるか試す。

この繰り返しで頭と体、体と心の繋がりが密に流暢になっていく。

 

詐欺にあう機会なんてそんなにないでしょ!そんなこと想定して生きている人なんているの?と思うかもしれないが、世間なんか欺きに溢れているじゃないですか。

そこに気付けていない時点で騙され予備軍の一人ですよ。

子供のころから親の言うこと、学校の先生の言うこと、ニュースで流れてくる情報、コマーシャルで喚起される価値観を真面目に受け取って生きてきた。

どれも各々の個人的な価値観の押し付けだったり明確な意図をもって発せられている情報なのに「自分のために言ってくれているんだ」とか「正しい情報なんだ」と疑わずに受け取るクセがついてしまっている。

 

自分から聞きにいった話は真面目に聞かなきゃならないだろう。

しかし相手から持ちかけられた話は真面目に聞いちゃいけない。

これは常に他人を疑えと言っているのではないよ。

全部聞く必要はない、サビだけ聞けってこと。

カフェとかで流れてるBGMあるじゃん?

あれって聴こうと思って聴いてないよね。

でもたまにサビのとこで急に耳に入ってくることがある。

お!なんだこの曲は!?って。

そうして初めて耳をそばだてて歌詞を聞き取ろうとしたりアプリで曲を調べたりして歌手や年代やサビ以外の歌詞がわかってくる。

曲の魅力はサビだけではないだろうが、サビの良し悪しは曲全体の良し悪しの重要な判断材料だ。

いくら他の歌詞やメロディーが良くてもサビが良くない曲は聴かれないし売り出すこともできない。

 

これを今回の事件に当てはめてみよう。

この事件のサビは「請求額が8万円」というところだ。

ここに引っかからなきゃならない。

「夜遅い時間に来てもらった」だの「きちんと直してもらった」だの「契約書にサインしてしまった」だののAメロBメロは関係ない。

「請求額が8万円」というサビがクソすぎるのでこの話(曲)はお蔵入りにすべきなのだ。

Aメロ良し、Bメロ良し、サビは…うーん、微妙だけど良し!というわけにはいかない。

サビがダメならダメ。曲全体を良しとしてはいけない。

一番大事なところを見失ってはならない。

 

このように「サビが大事だ!」と口を酸っぱくして言いたいのだが、そもそも「どこがサビなのかわからない問題」が立ちはだかる。

曲ならわかりやすいが、人の話、特に騙してやろうと思っている人間はサビを隠そうとのらりくらりうやむやにして丸め込もうとしてくる。

これを見破るのはある程度の知識と経験がいるのでやはり未熟なうちは騙されてしまうこともあり悔しい思いもする。

だからこのブログを読んでくれた人には少しでもそういう被害に遭わないよう知識の足しにしてもらいたい。

まずはぼったくりが多い業界としては前回から挙げている水道、鍵、その他家屋に関する分野として屋根や外壁の修理がある。

飛び込みで点検させてくれなどといってひび割れや腐食などを指摘して不安をあおり契約させようとする。

屋根など家人の目の届かない場所は当該箇所をビデオや写真に撮ってきたといってあらかじめ用意していた別の家のものを見せてきたりするやつもいる。

住居に関する話は身構えて聞いてほしい。または一人で対応してはいけない。

あとはこれも典型的かつずっとなくならないのが「儲け話」いわゆるマルチだ。

そんな甘い話があるわけないと思いつつなぜか自分には真っ当なお誘いが来たんじゃないかと思い込んで騙される。

俺は過去に何度かマルチの話を持ちかけられたことがあるが端からやる気はないのでどんなアホな話か聞いてみようと説明を受けてみた。

みんな同じ手口。ここでは長くなるので割愛するから各自調べてみてくれ。

本当に同じ構造だから。構造が同じで言い回しやを変えたりその時代のトレンドワードを付け加えてるだけ。車の中身が同じで外装が違うだけみたいなもの。車は車。マルチはマルチ。

これこそサビ(基本構造)を押さえておけば丸め込まれることなく余裕で見破れる。

 

話があっちこっちいったけど、この記事もそうでしょ、サビが大事よ。

俺の文章力がないのを棚に上げて言わせてもらうけど、全体を見渡して言わんとしていることはなんなのかのサビを掴んでくれ。

人の話を真面目に聞くのはいいことだよ。でもそれが誰に対してもってのは今の時代は危ういんだ。

他人を平気で騙すやつがいる。まったくの嘘ではなく、巧妙に、少しの真実と少しの実利を織り交ぜて多くを奪っていこうとする。

だから悲しい思いをすることもある。やられてしまったことは仕方ない。

仕方ないってのはただ泣き寝入りしろってことじゃなくて、いつまでもくよくよするのはやめて次に起こせる行動をできるだけ早く取ろうってこと。

金を取り返せそうなら取り返す。もう一度自分の言動や心の動きをつぶさに観察してきちんと教訓を得て対策を立てて次に生かす。身近な人が同じ被害に遭わないように恥を忍んで経験談を話して回るのもいい。自分の経験が誰かの役に立てば少しは被害も報われるってものだ。

人の話はほどほどに聞いて、一歩引いて聞いて、話全体を俯瞰して見て、その中でサビとなる核心を見極めてそこの良し悪しで意思決定をする。

皆さんが悪いやつらに騙されないことを祈っている。

 

さて次回は最後の三つ目。俺の問題点だ。

親がぼったくられた現場にいたわけでもない俺の問題点てなんだ?

 

 

ではまた。